引退の言葉-吾妻直彦-

井上領介

2年上の先輩に僕と同じ大学から初心者でテニスを始めた方がいました。

井上領介さんです。

1年生の冬、領介さんと同期のある方にこう言われました。

「お前は1年のこの時期の領介より弱い」

その言葉は当時の心の弱かった僕には痛すぎる言葉でした。

2年生になり、4年生で最後の年をむかえた領介さんはテニス歴の長い格上に対して数々の伝説的な試合をしました。

当時僕は同じ初心者としてねたましい気持ちがありました。

自分は思うように試合に勝つことができず、ランクが最下位に落ちていたからです。

その後領介さんは引退され、残された僕は彼の背中を必死に追いかけてきました。

しかし、結局最後まで彼に追いつくことはできませんでした。

庭球部生活振り返って満足かという問いに、僕は

「満足できるわけがない」
というか振り返りたくもありません。また、前を向いて歩んでいくことしか今の僕にできることはないからです。

これからの歩みの中でも、できる限り自分を高めていけるように、心は現役のままにしておこうと思います。

あとは任せたぞおがりょ

平成27年卒OB吾妻直彦

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