邂逅と自戒〜大曽根マックス〜
こんにちは。庭球部1年の大曽根です。
手始めに、先月引退された4年生の先輩方におかれましては3年半にも及ぶ庭球部へのご尽力、誠に感謝申し上げます。引退されるまで乗り越えられてきた苦労は私には計り知れないものです。本当にお疲れさまでした。実際にコート上で関わることは私の力不足故に少なかったものの、それ以外の場面では短い間でしたが大変お世話になりました。新天地での更なるご活躍を心よりお祈り申し上げます。以下、駄文にて失礼いたします。
この度、ブログを執筆することに際しまして、普段このような書物に対しては不慣れでありますから、終いには検索欄で「ブログ 書き方」、「ブログ 自分語り」などと調べるほどブログで書くべき特ダネが見つからなかったので、かの(あらゆる面で)親愛なる足立さん曰く、合コンで忌み嫌われる自分語りを思う存分書き殴ろうと思います。
また、題材としては私のテニスとの出会い(出会いと言ってもそこまで大袈裟なものではありませんが)と自戒の念について触れるのが良さそうだと思ったので、それらについてしたためようと思います。2018年7月14日 高校に入学してから初めての期末考査が終わり、学校へ行くのはテスト返却時と終業式のみとなっていたあの時期のことだった。普段テレビを全く見ない私は何を思ったかリモコンを握ってテレビをつけると、画面に写っていたのは緑の芝のコートとせわしなく動く二人の選手の姿であった。
「ジョコビッチ、? なんか聞いたことあるぞ。」テニスを一度も真面目に見たことがなかった私はおそらく人生経験としてテニスの試合を見るのも悪くないだろうといった心持ちで見始めたのだろう。これがテニスを始める切っ掛けとなることも知らずに。ウィンブルドン男子準決勝 ジョコビッチ v.ナダル 試合は第3セットに入ったところだった。試合終了後のスコアは6-4, 3-6, 7-6(9),3-6,10-8であった。結論から申し上げると、私は画面に食い付いていた。「この人達、常人じゃない。」5時間超に及んだ試合を見届けて、その日を終えた。平凡なきっかけかもしれないが、プロの試合にこれほどまでに熱中したのは初めてのことだった。
すっかりハマってしまった私は、もちろん決勝も見入った。(ジョコビッチの対戦相手は準決勝でイズナー相手にファイナルセット26-24で勝利したK・アンダーソンだった。)今振り返ってみれば、あの日に準決勝を見たことが十分奇跡に値することなのだが、この直後、これを期に漠然とテニスがしてみたいと思った私に運良くテニスをする機会が恵まれたのである。
絶大なインパクトを受けた日から約2週間後、アメリカの帰省先ではじめてラケットでテニスボールを打った私は見た目との難しさのギャップにただただ驚きを隠せずにいた。「全然入らない。」文字通り、ボールが全然コートに収まらず、野球のスカウトがそこにいたらよかったのだろうか、むしろフェンスを超えていくばかりである。ハードコートでボールが予想以上に跳ねることにも対応できなかった。向こうではあと一回ラケットを握らせていただいた後、帰国した私はもう当分の間コートに立つことはないだろうと思っていた。
しかしながら、幸運にも私の高校ではテニスコートが常時開放されていたこと、親しい友人に硬式テニス部に入っていない硬式経験者がいて、かつ私の相手をしてもよいという方がいたこと、高校が緩く、頻繁に授業が自習という名の自由時間になっていたことなどが相まって、10月ぐらいからまたラケットを握るようになった。しかし、握り始めたというだけであって特段上達したわけではなかった。ラリーなんて続いたものではなかった。何球テニスボールを打ち上げて隣のマンションに入れて、「すみません」と叫んだことか。
この頃の様子を振り返ってみると、私の同期で大学からラケットを握り始めた2人の成長は当時の私からすれば、いや今の私からしても尊敬に値すると言わざるを得ません。今振り返れば、蘇るのは数々の思い出に値するものたちである。それこそ例えば熱闘甲子園を見たときに見られるような、ザ・青春といったものではないが、少なからず今の私の一部となっているものである。コートは自由開放されていると言っても、高校硬式、中学硬式、中学軟式により常日頃コートの取り合いが起こっている中で部外者の我々がコートを取るのは至難の業であった。2限に早弁して、30分のために4限終了直後にダッシュしたこともあった。文化祭準備中に5時間ぶっ通してやって自己満足に浸っていた日もあった。
私の原動力となっていたものは何だろうか。それは、模範解答の通りにやれば腑に落ちてなくても出来てしまう受験勉強と違って、いくら模範解答を見て実践しようとしてもなかなかうまく行かないもどかしさだろうか。あの日見たプレーへのあこがれだろうか。これ以上思い出話に花を咲かせても仕方がないので、ここからは私の自戒の念をここに記そうと思います。
自戒の念と言ってもあまり長く書いても日々回顧するのが難しくなってしまうだけなので、反省しやすいよう簡潔で技術に関する表面的なものよりも心構えなどのより本質的なものにしたいと思う。そこで、以下に取り上げる3つのことを日頃自分に問いかけるものとする。1つ目、楽しめているか。我々は他人に頼まれてテニスをしているわけではない。言ってしまえば、仕事ではなく趣味の範疇である。プレーをすること、コートに立つことそのものがかなり辛くなってしまったら、それはなんらかの合図であろう。その時は納得がいくまで考えよう。2つ目、環境を活かしきれているか。残念ながら、我々に残された時間が有限であるのと同時に、今我々を取りまいている環境も刻一刻と変化をしており、必ず当たり前が当たり前でなくなる時が来てしまう。無意味なタラレバに苛まれることがないように。3つ目、優先順位をはっきりさせているか。前述の通り、時間は有限である。当然のことであるが、優先順位をつけなければ何事も中途半端になってしまう。大局的に考えれば、目先のことに意識を逸らさずに済むはずである。以上の3つを自らの礎とする。
これらは形骸化させてはならない。現時点では胸を張って達成できているとは言えないが、これから行動するまでのことである。
孝虎さんが先週箸休めをお書きになっていたことに甘んじ、極めてありがちで生真面目な文章になってしまい申し訳ありません。少々気取ってしまいましたが、ご容赦ください。
末筆ながら、至らない点が多々ある私ですが、先輩方や同期におかれましてはこれからの成長を優しく見守っていただけると幸いです。
以上です。失礼します。