引退の言葉〜川合紗貴〜
こんにちは、先日引退した前主将の川合紗貴です。
はじめにOB・OGの先輩方、水野コーチには多くのご支援・ご指導をいただきまして本当にありがとうございました。皆様にご支援いただき、恵まれた環境で3年半テニスに励むことができました。心より感謝申し上げます。
さて、先日の引退式では人前で話すのが苦手なこともあり短く終わらせてしまったのですが、後輩と帰りに話していたら「これも引退式で言うべきですよ」と言われた内容についてせっかくなので書こうと思います。
体感時間で言うと、人生の折り返しは18、19歳で来てしまうそうです。ネットで見かけた情報なのでソースも信憑性も定かではありませんが、言われてみればそんな気もします。幼い時は体験するものほとんど全てが新しいから印象に残りがちですが、だんだん成長するにつれて、「記憶に残る、新しい経験」は少なくなり、「日常的」な部分が多くなってしまうからでしょうか。確かに、(残念ながら初めて手が自分の一部だと気がついたことや自分の力で移動できるようになった感動、ハイハイでベッドから落ちた時の気持ちなどは覚えていませんが)2歳の時にお気に入りにピカチュウのコップを机から落として割ってしまった時の衝撃、幼稚園の避難訓練のリアルな煙にびっくりしたことはよく覚えていますし、同じ「楽しかった6年間」でも小学校の6年間の方が中高の6年間より圧倒的に長かった気がします。
なら人生の折り返し地点を過ぎた後の大学の3年半が気が付かない間に終わっていったかというと全くそんなことはありません。試合で勝った喜び、負けた悔しさはもちろん、練習であった嬉しかったこと・悔しかったこと、練習以外の時間でもたくさんの人と真面目な話もそうでない話もできたこと、練習後眠い目をさすりながら勉強をしたりバイトをしたりしたこと、本当にいろいろなことが記憶に残っています。これも目標を決めてそれを達成しようと頑張れて、色々な人からアドバイスを頂き、他の選手から刺激を受けることができる庭球部だからこそ得られた、かけがえのない充実した3年半だったと思います。また、主将として、最高学年として部のことを常に考え続けた最後の1年は今までになく部活という組織を考え、そして赤門の先輩方に支えていただいているということを改めて感じた1年でした。日々新しい気づきや学びがあり、テニス以外の面でも人として1番成長できた時期なのではないかなと思います。
主将とは何なのだろうか、というのは二年生の頃からずっと考えてきていました。引退式でそのことを話した方が良いんだろうなと思いつつ、結局人に話せるほどの答えは見つかりませんでした。考え続けても「主将には色々な形がある」というなんというか当たり障りのない答えしか出せていません。プレーでみんなを引っ張る、色々な人の意見に耳を傾ける、チームのことを考え続ける、テニスに対する姿勢の見本となる、など本当に色々な主将がいると思います。色々な主将がいて、一緒にチームを引っ張ってくれる幹部代がいて、後輩がいて、全員がチームの雰囲気・色に影響を与える。全員が部に影響を与えるからこそ、全員のことを考えて、みんなが前向きにテニスに取り組めるようにしたい。テニスを頑張りたい人が集まっているのだから、強くなれる環境が整っているようにしたい。部活という組織として、強くなり続けられる環境を作りたい。色々な人に応援していただけるようなチームになりたい。そして、自分は主将として、チームの「顔」として色々な人に見られるのだろう。応援してくださっている方達に女子部を発信する機会がある時に、応援したいと思っていただけるようなチームでありたい。何かあった時にはチームの、部員一人一人の「盾」になって、別の何かがあったら部の「潤滑油」になって、また部員全員が前向きに頑張れるような部活にしたい。まとまりがない文章の集まりですが、私が考えていたのはこういうことでした。自分と周り、チームと色々な人を繋いでチームを良い方向に持っていくこと、そのために気軽に意見を言ってもらえたり、相談してもらえるような人になる、ということが私が考えていた主将像なんだと思います。とはいっても、「主将」は「選手」であり、「幹部代」であり、この3つは重なる部分も大きいので、結局これが「主将らしい」のかは甚だ疑問ですが。自分の最終決定が部の決定になるという責任感は重いですが、そこに至るまでの「主将らしさ」っていうのは「幹部代らしさ」でもあり「選手らしさ」でもあり、私の場合は特に、それを周りが「その方針で頑張ります」と言って頑張ってくれたから主将として成立していたのだと思います。今主将をしているなっちゃん、次の主将になるえまちゃん、その後に続く主将たちには今までの歴代の主将と似ている要素、違う要素があると思います。主将になる人の為人、その時の他の部員の為人、その時のチームの状況や社会のあれこれなど様々な要因が絡み合ってそれぞれの方針が決まると思うので、その時にその人ができる「主将」を自信を持ってつとめてほしいなと思います。
話がまとまらなくなってきたので体感時間の話に戻ると、日々新しい発見や学びを得ることができたら少しは時間の進みがゆっくりになって、日常も非日常もしっかりと味わえるのではないのかと私は今考えています。幼い時ののんびりした1年を過ごすことは難しいのかもしれませんが、手の後ろから顔が出てくることに大笑いできなくなっても箸が転がったら笑えるぐらいの陽気さは残しておきたいです。それと共に、歳をとったときに、「体感時間での折り返しは22歳だったな」と思わなくて済むように、庭球部を引退し、大学を卒業しても目標を持って主体的に動き、新しいことに挑戦し続ける人でありたいと思います。そして数年後にこのブログを読んだ時に「若いな…」と思えるぐらい人としてももっと大きくなりたいなと思います。
最後になりますが、同期のみんな、後輩のみんなも本当にありがとうございました。主将の器量がなかった私が主将を務められたのは皆さんに支えてもらって、頼らせてもらったからです。これからも微力ながら応援しているので、庭球部を盛り上げていって欲しいなと思います。
また、重ねての御礼になりますが、OBOGの先輩方、水野コーチには本当に様々な面で支えていただきました。ご指導いただき、厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
以上です、失礼します。