まごごろを、君に〜岩渕大樹〜
明けましておめでとうございます。庭球部2年の岩渕です。
最初このブログでは、僕は浪人したからこそ部活を迷わず選んだこと、浪人を経てメンタルが強くなったこと、受験生に教えたい僕なりのメンタル管理法、などについて書こうと思っていました。
しかし、開成中高で周りに流され志望校を東大に決め、ろくに勉強もせずに皆で仲良く開成高校4年生in駿台、という何の変哲もないテンプレ浪人生の浪人談なんかより、テニスが強いからという理由で東大受験を決めた大逆転合格の鬼メンタル宅浪自伝by奥田の方が圧倒的にコンテンツ力があり、文章も力がこもっていてめちゃくちゃ面白かったので、やめます。是非受験生、特に浪人フレンズは奥田のブログ(2021/12/22公開「あきらめない精神〜奥田介統〜」)を読んで下さい。
さて、自己紹介の時に必ずと言っていいほどに存在している「趣味」の欄に何を書くか毎回迷ってしまうという方はいらっしゃいませんでしょうか。僕は、テニスは趣味…と書くとテニスを遊びでやってる感が出ちゃうなぁ、遊びでテニスをやってる訳じゃないなぁ、という強がり(大逆張り)から書くことができず、毎回「将棋」とだけ書いています。はい。というわけで将棋の話を書きます。一応僕は将棋は小学生の頃に始めましたが、趣味程度にちょこちょこやってきたぐらいなので至らない点などあると思いますがご容赦ください。
将棋はテニスと似ているなぁと感じることが多々あります。あの羽生善治様もそう仰っているのだからそうに違いありません。(参照:本ブログ内2021/8/22公開「孤独なスポーツ〜滝川英麻〜」←これも将棋とテニスに関するブログです。)
ところで将棋には沢山の格言があります。格言とは、古くから伝わる将棋を指す時にこうすると良いということを短い言葉にまとめたもので、将棋の上達には格言を覚えることが重要だと言われています。その格言の中にはテニスの考え方にも役立つと感じるものがいくつかあったのでそれを紹介したいと思います。
○終盤は駒の損得より速度
終盤では自分の駒を犠牲にしてでも寄せ(相手玉に迫ること)の速度を優先するのが良いという格言です。
将棋の終盤戦はお互いの攻めがどちらがより速いかということで勝負が決まります。不利な状況であっても、相手の攻めをしっかりと受けてスピードを落とさせ、そして相手の攻めの手が緩んだ瞬間に、こちらがリスクを負ってでも相手より速い攻めをすれば勝つことが出来ます。
これはテニスにおいてはラリー戦での駆け引きに相当すると思います。相手に攻められていても、時間を作るショットを打って守ることで相手の攻めの手が緩めば、こちらが攻めに転じるショットを放って有利なラリーにすることが出来ます。どれくらいのリスクまでなら負っても良いのかといったラリー中のリスク管理は将棋から学んだと言っても過言ではないです。(多分)
○玉は包むように寄せよ
相手玉を寄せる際には、王手をかけて追いかけるよりも、逃げ道を封鎖するのを優先した方が良いという格言です。
王手をかけて相手玉を追いかけると、駒が沢山必要になりますし、捕まらなくなってしまう可能性が高いです。それよりも、相手玉の逃げ道を封鎖して挟み撃ちした方が少ない駒で効率よく相手を寄せていくことが出来ます。
これはテニスにおいては、ポイントの組み立ての漠然とした考え方に近いと思います。強いショットを打って強引に決めにいくよりも、コースを狙って相手をコートから追い出したり、相手の逆をついたショットを打ったりして戦略的に攻めていく方が効率的にポイントを取りに行くことが出来ます。詰将棋みたいに美しいポイントの組み立てをしてみたいものですね………………。
○敵の打ちたいところに打て
相手が持ち駒を打ちたいと思われるマスに、先に自分の持ち駒を打つ手が良い手になりやすいという格言です。
ルール上、既に自分や相手の駒が配置されているマスには持ち駒を打つことは出来ません。そこで、自分が持ち駒を打てば、相手からそのマスへ持ち駒を打たれる手を防ぐことが出来ます。なんか色んなボードゲームでありがちな手筋な気はしますね。
これは具体的なテニスのポイントの組み立て、さらには相手のボールの予測に繋がるのでないでしょうか。ラリー戦では、自分の得意なポイントパターンに持ち込むために、自分が打ちたいショットを打てるように相手の選択肢を絞るといった考え方が大事です。例えば、回り込み逆クロスで攻めたいという人は、相手のバックの高い所をまず狙うと、相手はバックでクロスにボールを返すので精一杯になります。それを予測してあらかじめ回り込めるよう立ち位置を自分のバック寄りにしておけば、回り込み逆クロスからの自分のポイントパターンに持ち込みやすくなります。このようにして相手の返球の範囲を狭め、予測するといった具合です。まぁ、言葉でそれっぽく言うのは簡単ですね。こんな風に頭の中で描いていたようにいつも上手く出来るのならそれはもうプロです。
○長い詰みより短い必至
相手玉が詰むか確信を持てない時は、詰ましにいくよりも分かりやすい必至をかける(相手玉に王手はかからないが、次に相手がどう受けてもこちらが次の1手で相手玉を詰ませられるという状況にする)方が良いという格言です。
長い詰将棋は詰み切ることが出来れば気持ちいい勝ちとなりますが、実戦ではかなり難しく、途中で間違えると相手の玉を逃してしまう可能性があります。それよりも、手番を相手に渡すことにはなってしまいますが、分かりやすい必至をかけた方が安全に勝つことが出来るということです。
これはテニスにおいてはチャンスボールのアプローチを打つ時に相当すると思います。一発でエースを取るのは気持ちいいですがリスクがあり、ミスしてしまう可能性があります。それよりも確実にアプローチをコントロールし、次の1手のボレーで決める方が安定してポイントを取れます。ボレーで決めきれない族の同志は僕と一緒にボレーの練習をしましょう!!!!
以上、将棋の上達法……いや将棋の格言とテニスの思考法との繋がりでした。やはり将棋とテニスは似ていますね。今我が庭球部2年で将棋がプチブームになっているのも、やはりテニスに似ているからなのでしょうね。うん。間違いない。将棋もテニスも切磋琢磨し合って上達していきたいものですね。
因みに、初めに書きかけた受験生に教えたい僕なりのメンタル管理法は、早寝早起き美味しいご飯、好きな音楽に適度な友人とのお喋り、そして自分の感情を思うがままにスマホのメモ帳アプリに殴り書きすることです。これを機に高校生時代の自分のメモ(ポエム?)を読み返してみたのですが、こいつ病んでんな〜とニヤニヤが止まりませんでした。そこまで含めてオススメです。考えていることを書き起こしてみると頭が結構スッキリします。ただ人に見せるのはオススメしません。その人から距離を置かれてしまう可能性があります。気をつけましょう。
ここまで大変長くなってしまいましたが読んでいただきありがとうございました。題名は内容に全く関係ありません。庵野秀明展に行って感動しただけです。
受験生は最後もう一踏ん張り、頑張って下さい。
そして、東京大学運動会庭球部にてお待ちしています。
以上です。失礼します。
感銘を受けた。自分も心を強く持って受験生活の残りわずかな時間を走り切りたいと思った。将棋の漢字はとても難しくて書けないかもしれない。